当協会では、2018年2月1日に大阪府立生野聴覚支援学校前の交差点に突っ込んできた重機にはねられて亡くなった井出安優香さん(当時小学5年生)のご両親が、加害者と建設会社を相手にたたかっている民事裁判を支援しています。
被告側は、井出安優香さんが聴覚障害者であることを理由に逸失利益(生涯の収入見込み額)の基礎収入を、きこえる女性労働者の40パーセントとすべき、理由として聴覚障害者の思考力や言語力・学力は、小学校中学年の水準に留まると主張しています。被告側の主張は障害を持つ全ての人に対する侮辱で、聴覚障害者を含めたすべての障害者はひとりの人間として扱われないという、優生思想ともみなされる差別の問題とみています。
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●公益社団法人 大阪聴力障害者協会のこれまでの取り組み
1.2018年2月1日:大阪府立生野聴覚支援学校の門前で事故発生。
井出安優香さん(当時小学5年生)が亡くなり、教師・生徒合わせて4人が怪我を負った。
2.2021年2月:日本聴力障害新聞から、当会に取材の協力依頼。
3.2021年4月16日:大阪障害フォーラム(ODF)会議にて、大竹会長が裁判支援を要請。
4.2021年5月18日:当会三役と常任理事2名が、井出努さんと初めて対面。
5.2021年5月20日:当会文書常任理事会にて、裁判の支援と署名運動の実施を正式に決定。
6.2021年5月26日:大阪地方裁判所にて第7回公判が行われ、当会から6名が傍聴、大竹会長からはコメント文を発表。
この日の裁判後より、〆切を6月30日に定めて署名運動を開始。
・大竹会長コメント
・Yahoo! ニュース記事
7.2021年5月31日:要望によりオンライン署名を開設。
8.2021年6月1日:当会の機関紙ろうあ大阪2021年6月号にて裁判を支援することを発表、署名運動の実施も掲載。
9.2021年6月3日:署名集計10,000筆を突破。
10.2021年6月11日~12日:全日本ろうあ連盟評議員会にて、近畿ブロックから優生思想根絶のための緊急議案を提出。連盟理事会で理事会議案となり、評議員会で「優生思想を根絶する運動を強化する」特別決議として承認された。
・「優生思想を根絶する運動を強化する」特別決議
11.2021年6月14日:署名途中集計 約16,000筆が集まる。
12.2021年6月24日:署名途中集計 22,984筆が集まる(紙署名5,439筆、オンライン署名17,545筆)
13.2021年6月30日:署名一次〆切 31,419筆が集まる(紙署名12,748筆、オンライン署名18,671筆)
14.2021年7月1日:当会の機関紙ろうあ大阪2021年7月号にて、礒野副会長より裁判の支援に至るまでの経緯と、5月26日裁判傍聴の報告を掲載。
15.2021年7月1日~6日:連日、協会役員が署名を集計。
最終101,685筆(紙署名82,827筆、オンライン署名18,858筆)となった。
16.2021年7月7日:午後2時、井出さん夫婦とともに大阪地方裁判所 第15民事部へ署名提出。
・当会報告ページ
・Yahoo! ニュース記事
17.2021年7月14日:大阪地方裁判所にて第8回公判。当会より8名が傍聴。
・ろうあ大阪2021年8月号記事
18.2021年7月17日:当会理事会にて2次署名運動を行うことを決議。〆切9月8日。
19.2021年9月22日:午前11時、井出さん夫婦とともに大阪地方裁判所 第15民事部へ2次署名7,246筆(紙署名6,705筆、オンライン署名541筆)を提出。
1次・2次署名合計108,931筆(紙署名89,532筆、オンライン署名19,399筆)となった。
・当会報告ページ
20.2021年9月29日:大阪地方裁判所にて第9回公判。法廷の場所と裁判官が交代。
傍聴者数12名(内、当会より5名)、取材者多数。被告側は安優香さんの聴力検査データを元に、逸失利益40%から聴覚障害者の平均賃金による金額(聞こえる人の60%)に主張を変更。次回公判で原告側が反論をすることになった。
・産経新聞記事
21.2021年10月3日:第71回近畿ろうあ者大会(滋賀)で井出努さんがビデオメッセージ出演。今西事務局長が裁判支援の経過を報告。
22.2021年10月4日:3次署名運動開始。〆切11月24日(水)。
・ろうあ大阪2021年11月号記事
23.2021年10月9日:NHK「ハートネットTV」でドキュメンタリー番組放送。
24.2021年12月8日:午前10時、井出さん夫婦とともに大阪地方裁判所 第15民事部へ3次署名4,231筆(紙署名4,106筆、オンライン署名125筆)を提出。
1次~3次署名合計113,162筆(紙署名93,638筆、オンライン署名19,524筆)となった。
・当会報告ページ
・ABCニュース記事
25.2021年12月9日:NHK「クローズアップ現代」でドキュメンタリー番組放送。
26.2021年12月15日:大阪地方裁判所にて第10回公判。終了後、午後より報告集会を実施。次回公判2月21日。
・ろうあ大阪2022年2月号記事(呼びかけチラシ)
・ABCニュース記事
27.2021年12月26日:テレビ朝日「テレメンタリー」でドキュメンタリー番組放送。
28.2021年12月27日:4次署名運動開始。〆切1月31日(月)。
29.2022年2月1日:関テレ「報道ランナー」でドキュメンタリー番組放送。
・Yahoo! ニュース記事
30.2022年2月14日:午前11時、井出努さんとともに大阪地方裁判所 第15民事部へ4次署名1,387筆(紙署名1,336筆、オンライン署名51筆)を提出。
1次~4次署名合計114,549筆(紙署名94,974筆、オンライン署名19,575筆)となった。
・当会報告ページ
31.2022年2月21日:大阪地方裁判所にて第11回公判。当会より6名が傍聴(呼びかけチラシ)
32.2022年3月22日:署名運動を引き続き開始。今回は〆切は設けず、判決の日まで継続して集めていくことになった。
33.2022年4月25日:大阪地方裁判所にて第12回公判。11時半開廷。当会より5名が傍聴。
・ろうあ大阪2022年6月号記事
34.2022年8月29日:大阪地方裁判所にて第13回公判(呼びかけチラシ)
安優香さんの担任の先生2名、井出さん夫妻の計4名が証人尋問。当会より9名が傍聴。
・ろうあ大阪2022年10月号記事
・毎日新聞記事
・Yahoo! ニュース記事
・note記事
・ABCニュース記事
・NHK関西NEWS WEB
・関テレ「報道ランナー」
35.2022年11月28日:大阪地方裁判所にて第14回公判(結審)。難聴の久保陽菜弁護士が口頭弁論。当会より8名が傍聴。
・ABCニュース記事
・note記事
・関西テレビ
36.2022年12月22日:判決に向けた最後の署名運動。〆切1/31まで。
37.2023年2月15日:午前10時すぎ、井出努さん夫婦とともに大阪地方裁判所 第15民事部へ5次署名648筆(紙署名545筆、オンライン署名103筆)を提出。
1次~5次署名合計115,197筆(紙署名95,519筆、オンライン署名19,678筆)となった。
・当会報告ページ
・note記事
38.2023年2月27日:13時半から大阪地裁前で入廷行動(呼びかけチラシ)
14時より判決。当会より17名が傍聴。聴覚障害者は聞こえる人より労働能力がまだ劣るという差別的判決で、逸失利益85%となった。判決後、15時半より大阪弁護士会館にて報告集会。
・NHK関西NEWS WEB
・テレビ大阪
・朝日新聞
・毎日新聞
39.2023年3月6日:「大阪府立生野聴覚支援学校生徒交通事故判決に対しての緊急声明」を発表。
40.2023年3月10日:井出さんご夫妻が大阪高裁に控訴。
・産経新聞
・日経新聞
・プレジデントオンライン記事
41.2023年3月31日:大阪高裁控訴を支援するため、大阪府立生野聴覚支援学校児童事故の障害者差別のない公正な判決を求める要請署名運動へのご協力お願い開始。一次〆切5/26。
42.2023年5月8日:署名途中集計 1,180筆が集まる。
43.2023年5月18日:署名途中集計 967筆が集まる。合計2,147筆。署名の2次〆切を6/25に設定。
44.2023年6月1日:署名途中集計 3,353筆が集まる。合計5,500筆。
45.2023年6月10日:第71回全国ろうあ者大会(大分)の研究分科会②「人権~優生思想について考える~」にて、今西事務局長が基調講演。大竹会長がコーディネーターを担う。この時点で署名合計5,929筆。
第11回(通算第74回)評議員会では「優生思想の根絶や全ての人の尊厳と権利を保障し、差別をなくす運動に取り組む」特別決議が採択された(連盟ホームページ)
46.2023年6月21日:署名途中集計 合計7,334筆が集まる。
47.2023年7月8日:河内三団体学習会にて、今西事務局長が講演。参加者62名。
48.2023年10月13日:午後2時、井出努さんとともに大阪高等裁判所 第5民事部へ署名10,510筆を提出。
・当会報告ページ
49.2023年10月20日:大阪高裁 第1回口頭弁論(14時半~)
・当会ホームページ
・NHK関西NEWS WEB
50.2023年11月19日:北海道手話サークル連絡協議会・北海道手話通訳問題研究会合同研修会にて、長宗常任理事がオンライン講演。参加者157名。
51.2023年11月25日:和歌山県聴覚障害者協会主催の第9回福祉・労働フォーラムin和歌山にて、今西事務局長が講演。参加者24名。
52.2023年12月2日:滋賀県ろうあ協会女性部学習会にて、今西事務局長が講演。参加者29名。
53.2023年12月9日:第27回全国聴覚言語障害者福祉研究交流集会にて、大竹会長が特別報告。
54.2024年1月20日:2023年度近畿ろうあ連盟幹部研修会in大阪にて、大竹会長が「優生思想をなくそう」のテーマで講義。
55.2024年1月23日:大阪高裁 第2回口頭弁論。次回の審理で宮城教育大学の松崎丈教授が証人尋問。
56.2024年2月4日:伊丹ろうあ部会主催の「第24回なるほど・ザ・あれこれ」にて、今西事務局長が講演。参加者約60名。
57.2024年2月11日:福井県ろうあ協会主催の第21回聴覚障害者労働フォーラムにて、中岡常任理事が講演。参加者約60名。
58.2024年6月11日:大阪高裁 第3回口頭弁論。当会より10名が傍聴。宮城教育大学の松崎丈先生が証人尋問。「聴覚障害を理由に健常者と同等の就労ができないとするのは間違い」と発言された。
・当会ホームページ
・テレビ大阪
59.2024年9月3日:大阪高裁 最終弁論(結審)難聴の久保陽奈弁護士が陳述。
60.2025年1月20日:大阪高裁 判決予定(14時~)終了後報告集会予定