なくしたらあかん大阪市
政令都市として財源と権限のある大阪市の存続を
住民不在、無駄はなくせない「都」構想に反対します

 2015年に住民投票で否決された「大阪都構想」の是非を問う住民投票が、再び11月1日に実施されようとしています。
 大阪市を廃止し、4つの「特別区」に再編するもので、大阪市の収入2000億円と権限が大阪府に吸い上げられ、財源も権限も少ない半人前の自治体となってしまいます。収入が減るのに特別区の設置に1300億円の費用がかかります。これでは住民サービスの低下は避けられません。すでに市民プール、スポーツセンター、老人福祉センター、子育てプラザの削減が計画されています。また、子ども医療費助成、重度障がい者医療費助成、大阪メトロ・シティバス無料乗車証などが継続される保障もありません。特別区によって市民サービス、福祉サービスに地域差ができることも心配されます。
「特別区になっても財政は黒字」と宣伝されていますが、この試算はコロナの影響を全く考えていません。すでに大阪メトロは赤字に転落し、「成長戦略」の目玉であるカジノも外国人頼みもできない状況で、世界のカジノ事業も悪化、撤退がはじまっています。
 内需を拡大し中小企業を支援してこそ、本当の経済成長と安心の大阪をつくることができます。
 地域活動支援センター「ほほえみ」は大阪市の委託事業で、2007年から毎年延べ利用人数が増加し、現在4750人以上の聴覚障害者の利用があり、聴覚障害者にとっては唯一のコミュニケーションと交流、生きがいの場となり、区を超えて利用出来ています。また、大阪市には設置手話通訳者がいます。大阪市が廃止されればどうなるか分かりません。
 そして、なによりも大阪市聴言障害者協会が無くなります。
 大阪市が廃止されると、もう一度大阪市に戻ることはできません。また、大阪都にはならず、大阪府のままです。
 政令指定都市として財源と権限のある大阪市を存続し、医療、介護、社会保障を充実させることこそ、聴覚障害者の暮らしと権利を守り、発展させていくことになります。
 都構想がよくわからない人は、わからないままで大阪市がなくなっては大変です。反対と書いてください。都構想に反対の人は、近くの人、まわりの人に都構想の問題点や事実を訴え、反対の声をいっそう大きくしてください。
 大阪市聴言障害者協会は、聴覚障害者が安心して暮らして行ける大阪市をめざして、都構想反対の声を広げて行く決意をここに表明します。

2020年10月16日
大阪市聴言障害者協会

【公開質問状】大阪都構想制度案に関する聴覚障害者福祉施策等について