新年のごあいさつ
公益社団法人 大阪聴力障害者協会
会 長 長 宗 政 男
新年おめでとうございます。
会員の皆様におかれましては、良きお正月をお迎えのことと存じます。
昨年は、6月の総会で役員改選があり、15年ぶりに会長が交代して新しい体制で臨むことになりました。
新体制となりまだ半年ではありますが、特に大きな問題もなく行事を終えることができました。これも役員の皆さんの頑張りと、参加してくださった皆様のご協力のおかげです。改めて感謝申し上げます。
昨年の大きな出来事といえば、7月3日の最高裁で、優生保護法被害者に対して国に損害賠償と謝罪を求める判決がくだったことです。50年以上も沈黙の苦しみの中におられた被害者の方々に、ようやく人権回復の光がさしました。しかし、手術を受けた体が元に戻ることはありません。2018年から続いた裁判の中で、亡くなった原告もおられることを思うと、遅すぎたとしか言えません。
被害者の方々を救済する補償法が1月17日より施行されます。これまでの一時金支給法との違いは、一時金支給法が被害者本人のみ320万円の支給だったのに対し、補償法は被害者本人には1,500万円、配偶者には500万円、中絶を強制された方には200万円が支払われます。本人が亡くなっている場合は遺族が申請できます。優生保護法に関する運動は、これまで裁判の支援が中心でしたが、今年は補償法の対象者の掘り起こしと申請の支援が中心となることでしょう。皆様も補償法の内容をまわりの方々に周知いただき、被害を受けたかもしれない方に心当たりがあれば、大阪ろうあ会館までご相談ください。
今年は4月~10月に大阪・関西万博、11月にデフリンピックと大きなイベントが続く一年になります。デフリンピックに関しては、春から夏にかけて引き続き、デフスポーツ・サポーター制度の会員を増やすとともに、連盟のキャラバン支援やキャラクター応援隊の登録活動などを通してデフリンピックの知名度を上げていきたいと思います。おそらく皆さんにとっても、一生一度の大きなイベントとなるでしょう。まずは5月の近畿ろうあ者体育大会を無事終えることで、スポーツ会員の拡大につとめなければなりません。
今年度の行事は、残り三ヶ月のあいだに、大阪ろうあ者成人式とみみの日記念大会が控えています。特に成人式は、新成人の皆さんにとって一生に一度の晴れ舞台です。同じきこえない・きこえにくい仲間として、参加される皆さんには、新成人の方をあたたかく迎え、いわゆる「ろうコミュニティ」としてのつながりを作っていただけたら嬉しく思います。交流を深める中で青年部の仲間になっていただき、今後の学生や社会人としての生活の中で、困った時には大阪ろうあ会館へ相談できることをぜひ伝えてください。
大聴協がこれまで発展してきたのは、運動体としての協会と、事業体としての大阪ろうあ会館が活動と事業を連携して機能してきた歴史の積み重ねです。この十年間で会員数が減少を続けていますが、デフリンピックに関する活動を通して、デフスポーツの魅力、大聴協の魅力を再確認する一年となればと期待しております。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(ろうあ大阪 2025年新年号より)