(社)大阪聴力障害者協会は、定款により、府内在住のろうあ者の生活基盤の拡充と社会参加の支援、及び文化的・社会的活動の発展と福祉の増進を図ることを目指しています。
手話通訳派遣の法制化を目指し、昭和60年に全国の聴覚障害者団体で行われた「アイラブコミュニケーション」パンフレット普及運動では、全国の仲間たち とともに取り組み、大阪で10万部(全国120万部)の目標を達成しました。これが手話通訳士という国が認定する資格の始まりとなりました。当会において は、大阪府手話通訳者養成講座や大阪府手話通訳者判定試験を大阪府から受託して実施しています。
1990年には、大阪府泉南郡熊取町に障害者支援施設(重複聴覚障害者の生活・労働施設)「なかまの里」を建設するために、当会の組織を中心に、手話通 訳者や手話サークルの方々、聾学校関係者他と一緒に施設建設運動を立ち上げました。「大阪はひとつ」を合言葉に、総工費9億2千万円のうちの自己負担分と して最終的には寄付を含めて3億3千万円を超す募金を集めました。
また平成12年には高齢者介護福祉施設(ろうあ高齢者専用特別養護老人ホーム)「あすくの里」、障害福祉サービス事業(重複聴覚障害者通所施設)「あい らぶ工房」の建設のために施設建設運動を再開し、平成19年までに4億1千万円の募金を集めました。この間にアイラブフレンズマラソン、アイラブカーフェ スタ、アイラブチャリティ1万人コンサート(大阪城ホール)、アイラブチャリティ夢企画などのイベントを成功させ、3つの施設を完成させました。
また在宅のろうあ高齢者支援のために、当会は平成12年に介護保険事業を立ち上げ、ろう重複障害者も含めて、ろうあヘルパーや手話のできるヘルパーを派 遣しています。 聴覚障害者の労働問題について、当会は2002年に全国で初めてろうあ者の労働にかかわる支援事業として大阪府から「ワークライフ支援事業」を受託してい ます。ジョブコーチ事業も2006年から開始しています。これだけでなく当会は、昭和40年頃から福祉対策部を中心に聴覚障害者だけでなく障害者福祉向上 のために、他の障害者団体と手を取り合い、行政と交渉を続けています。
いま、我が国の障害者団体は、平成18年に国連で採択された「障害者権利条約」の批准をめざし、国内法の整備に取り組んでいます。平成22年には「情 報・コミュニケーション法(仮称)」の制定をめざした「ウィラブコミュニケーション」パンフレットの普及運動を行い、当会はパンフ2万5千部(全国30万 部)、署名8万筆(全国120万筆)を集めています。これが平成23年の障害者基本法改正で手話が言語と規定されたことにつながりました。 平成25年には「手話言語法(仮称)」の制定をめざした「手話でGO!」パンフレットの普及運動(全国32万5千部)を行なっています。当会では2万 980部の普及を展開中です。 現在、我が国では新しい障害者関連法が次々に制定されていきます。全ての聴覚障害者・障害児が差別を受けることなく、安心して暮らせる社会を実現するため に、当会は全国の仲間とともに、これからも引き続き運動に取り組んでいきます。