新年のごあいさつ

公益社団法人 大阪聴力障害者協会
会 長  大 竹 浩 司

 あけましておめでとうございます。
 皆さま、お元気で新年をお迎えのことと存じます。当会は、昨年も会員をはじめ多くの関係者のおかげで無事に新しい年を迎えることができました。厚くお礼申し上げます。
 でも新しい年に入ったとはいえ、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック(感染症の世界的大流行)は続き、ホッと息づく時間もなく外出行動の制限を強いられています。まさにコロナ禍は、私たちの生活を大きく一変させました。
 一般財団法人全日本ろうあ連盟は今年度行事をすべて中止、当会も昨年3月に耳の日記念大会の中止をはじめ、緊急事態宣言中はあらゆる集会をとりやめました。また昨年6月末開催の通常総会は結局1か月延期開催しました。にもかかわらずコロナ禍は収束の気配すら見せず、現在も社会活動が思うままにできず、きています。
 このように暗いニュースが多い中、ホットニュースといえば、私たち、とりわけ泉州のなかまたちにとって念願であった「泉州聴覚障害者センターなんなん」が昨年4月にオープンできたことでしょう。
 建設資金の一部確保のために、私たちは数年前から皆さんに募金をお願いしてきました。これが、当会会員をはじめ手話関係者、また全国や大阪府のみなさんの多大なご協力、ご支援があったからこそ実現に結び付いたのです。改めてみなさんには厚くお礼を申し上げます。
 現在、高齢、また重複障害をもつ聴覚障害者が利用できる社会資源は限られていますが、身近な地域で安心して暮らせる社会を築くために当会は力を尽くして邁進していく一存です。      
 ところで、懸念される会員数ですが、予想したコロナ禍による大幅減少はなかったとはいえ、10年ほど前から続いている減員は歯止めがかからず、このままでは1000人割れが必然的です。あわせて都道府県単位のろう団体では、長い間維持してきた会員数トップの座をほかの団体に明け渡したくらいです。
 残念ながら全国のろう団体会員数は軒並み減少状況が続いていますが、当会が会員減少を食い止め、増員に転換できたら全国のなかまに大きなエネルギーを与えられるはずです。
 とにかく現在は、まずコロナ対策で私たちの命と生活を守るために、条件付きの遠隔手話通訳サービスなど情報保障の拡充で私たちの社会活動を支えていく必要があります。
 このようにコロナ禍を含めて、社会的課題が山盛りですが、会員の強い団結で運動を大きく繰り広げていきましょう。
 今年も引き続き、当会へのご指導ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

(ろうあ大阪 2021年新年号より)